札幌証券取引所 理事長 小池 善明
ごあいさつ
まず、今般の新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、感染された方々やそのご家族、不安のなかにおられる方々に対して、心からお見舞いを申しあげます。
わが国経済については、比較的堅調な拡大を続けてきましたが、今年に入ってからの新型コロナウイルス感染症の大流行を受けて、多くの地域では、春先以降、外出制限や営業・生産活動の停止といった厳格な公衆衛生上の措置を講じました。こうしたもとで、本年前半の日本経済は大幅に落ち込みました。北海道経済も好調だったインバウンド消費需要の落ち込みなど、当面景気は停滞が続くことが懸念されます。
上記のような環境下にありますが、道内企業では人材確保や知名度アップ面の価値を認識して5年連続で札証への新規上場が続くなど成長への関心が高まっており、札幌証券取引所としてもこれに対応した各種セミナー活動や企業成長のための勉強会の開催などを活発化させています。具体的には、道内主要都市において「地方IPO(株式公開)セミナー」を開催し、北海道企業にとって地元の身近な取引所へ上場できるメリットなどについての認識を深める活動を継続しているほか、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業経営者向け「札証成長塾」をオンライン開催にするなど、学ぶ場を提供しています。
また、一 方で一般投資家の皆様への情報提供として、通常札幌で行っている「個人投資家向け会社説明会」(IR)を道内主要都市へと拡大開催しており、さらに、2016年より東京都内において札証上場企業を紹介するIRを実施し首都圏の投資家からも好評を得ています。コロナ禍にあって集合形式での説明会開催は難しい状況にありますが、WEB の活用拡大など、取引所の「情報の受発信機能」を一層充実してまいりたいと思っております。
札幌証券取引所は、1950年以来、国の特別法に基づく「証券会員制法人」として関係する多くの方々に支えられ、北海道の地域経済インフラとして企業や投資家の皆様に活用 されて70周年を迎えました。今後も広く皆様のお役に立つよう努力してまいります。