WebIRに向けて

札幌証券取引所 理事長 小池 善明

札幌証券取引所 理事長 小池 善明

ごあいさつ

わが国経済については、昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界規模の経済環境悪化の中で景気低迷を続けてきましたが、ウイズコロナの対応活動やワクチン接種の普及などにより、ようやく回復の兆しも見えてきました。

こうした中で、北海道経済は内需依存型産業構造とインバウンド観光客の需要代替確保などのハンディもあり、やや遅れて回復してゆくものと思われます。

上記のような環境下にありますが、札幌証券取引所としては道内企業に対して将来を見据えた人材確保や知名度アップのための新規上場による公開企業化と企業成長を促すため、これに対応した各種セミナー活動や企業成長のための勉強会の開催などを当面はオンラインで活発化させています。

また、一方で一般投資家の皆様への情報提供として、適時ホームページをリニューアルして「個人投資家向け会社説明会」(IR)、「資産形成セミナー」などを外郭団体とも協調して開催、配信しており好評を得ています。 その他今後も当面はリアル活動の制約の中でもWEBの活用拡大などを図り、取引所の「情報の受発信機能」を一層充実してまいりたいと思っております。

札幌証券取引所は、1950年以来、国の特別法に基づく「証券会員制法人」として証券関係者をはじめ多くの方々に支えられ、北海道の地域経済インフラとして企業や投資家の皆様に活用されて70年を経過し新たなステージを迎えました。

今後も広く地元の皆様のお役に立つよう努力してまいります。

北海道財務局 局長 明瀬 光司

北海道財務局 局長 明瀬 光司

北海道経済の希望ある未来のために

【経済情勢等】

日本経済の現況につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しが続いているものの、一部で弱さが増しております。観光が「主要産業」の一つである北海道では、感染症の影響を強く受けており、宿泊業や飲食サービス業等を中心に厳しい状況が継続しています。今後、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進する中で、各種施策の効果もあって、持ち直しに向かうことが期待されますが、感染の動向が地域経済に与える影響に十分注意が必要です。

新型コロナウイルスは、社会、経済活動に大きなダメージを与えていますが、他方、感染拡大防止を端緒とした経済社会のデジタル化を加速し、それに伴う企業のビジネスモデルの再構築等により、新しい働き方・暮らし方などが現れつつあります。北海道の事業者にとっては、今まではハンデとされていた距離の問題が解消され、北海道の素晴らしい観光・食などを効果的・効率的に提供できるなど新たなビジネスを創出する機会でもあります。全国に先駆けて高齢化・人口減少が進展している北海道にとっては、経済社会のデジタル化は、その潜在能力を発揮するとともに、その構造的課題の解決策にもなり得るのではないかと期待しております。

【金融行政等】

コロナ禍の下、地域金融機関は地域の事業者に対する資金繰り支援に積極的に取り組んでおり、また、今後は、ワクチン接種の広まりなどにより、経済活動が徐々に再開されていくことが期待されていることから、様々な課題に直面する事業者の本業支援、経営改善・事業再生・事業転換支援等を進めていくことこそが重要となります。

金融機関においても、これまでの枠にとらわれず、柔軟な発想で新しいビジネスや新しいサービスを生み出す機会にしていくことが期待されます。金融当局においても、各種規制緩和など環境整備を行いつつ、地域金融機関の対応を促してまいります。

北海道財務局では、更に、地域経済の担い手である地域金融機関や自治体、支援機関など地域のステークホルダーと連携し、課題解決を後押しすることなどにより、地域経済活性化に貢献したいと思います。

【札幌証券取引所への期待】

札幌証券取引所は、開設以来、地域に根差した取引所として企業の円滑な資金調達に携わり、道内企業の育成・発展に貢献されてきました。新型コロナウイルスの影響で北海道経済は厳しい状況にありますが、経済社会のデジタル化など社会・経済活動の変化の中で、北海道の潜在能力を掬い上げ、育成すると同時に投資家が安心して取引できる場を引き続きご提供いただき、札幌証券取引所が北海道経済の回復・発展に、大きな役割を果たされることを期待しております。

日本銀行札幌支店 支店長 石井 正信

日本銀行札幌支店 支店長 石井 正信

北海道経済の展望と札幌証券取引所への期待

1.北海道経済の現状と展望

北海道経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にありますが、経済活動が徐々に再開するもとで、持ち直しつつあります。すなわち、経済活動の水準はなお低く、そうした中で雇用・所得や設備投資の調整が続いていますが、経済活動の再開に伴い、個人消費、観光が最悪期を脱して徐々に持ち直しています。

先行きについては、不確実性がきわめて大きいですが、経済活動が再開していくもとで、個人消費、観光の持ち直しが続き、足もと下げ止まりつつある生産が持ち直しに転じていくことで、道内経済全体でも持ち直していくと考えられます。ただし、感染症への警戒感が続くもとでは、企業や家計の自主的な感染防止の取り組みが、経済活動を抑制する力として作用し続けるため、そのペースは緩やかなものに止まると見込まれます。

少し長い目で見ますと、北海道は他の地域と同様に、人口減少や少子高齢化による人手不足などの課題に直面しています。そこで、広い大地や素晴らしい自然に裏打ちされた食・観光資源といった、当地の強みを活かし、道外・海外需要を取り込んでいくことが重要です。このためには、製商品・サービスの付加価値を高めることや、省力化・省人化投資等を通じて生産性を向上させることが必要と思われます。

2.札幌証券取引所への期待

道内企業がこうした取り組みを推進していくためには、円滑に資金調達が行える環境の整備が欠かせません。札幌証券取引所への上場により、企業の資金調達力が増大します。また、知名度も高まります。厳しい上場基準を満たし、株主のチェックを受けることで、経営の透明性が増し、安定化につながることも期待されます。さらに、知名度と企業活動内容の透明性が高まることで、人材の獲得が容易になると考えられます。この結果、事業拡大、成長への道筋ができます。

札幌証券取引所への上場企業が増え、こうした上場のメリットを活かして成長していくことは、前述のような北海道経済の課題を克服し、潜在的な成長力を強化することにつながります。札幌証券取引所では、上場予備軍の発掘および育成などを目的に、各種セミナー活動や勉強会などを行っています。こうした取り組みが実を結び、道内企業が札幌証券取引所を積極的に活用する動きが広がることを期待しています。

経済産業省北海道経済産業局 局長 安藤 保彦

経済産業省北海道経済産業局 局長 安藤 保彦

北海道経済の活性化に向けて

北海道経済は、ここ数年緩やかな回復基調を持続してきましたが、道内各地で人口減少と少子高齢化が加速度的に進行する中、中小企業・小規模事業者は、経営者の高齢化や、人手不足、需要減少などの構造変化に直面しています。

加えて、現下の新型コロナウイルスの影響により足下の経済は非常に厳しい状況にありますが、生産活動や個人消費、観光においては一部に下げ止まりの動きも見られつつあります。

政府では、今般のコロナ禍に対し、各種資金繰り支援や持続化給付金、家賃支援給付金など地域の中小企業の事業継続を支援しているほか、Go Toキャンペーンなどにより、「新しい生活様式」への対応と経済活動の両立を図っているところです。

北海道経済産業局といたしましても、ウィズコロナ/ポストコロナ時代を見据えた新たな可能性を見出し、北海道経済の浮揚、活性化に努めてまいります。

北海道では、かつては札幌駅北口・北大エリアが「サッポロバレー」と呼ばれ、他地域に先駆けて多くのベンチャー企業が立ち上がった時代もありました。しかしながら、近年は他の大都市圏と比べると、ベンチャー企業の裾野が広がっておらず、また、ベンチャー企業の成長発展に必要な資金調達手段や大手企業との事業提携機会が限られていることが大きな課題となっています。

このため、当局では、今年4月にスタートアップ支援や、オープンイノベーションの促進に重点的に取り組むため、新たに「産業技術革新課」を設置し、イノベーションを担うプレーヤーの掘り起こしを行うとともに、スタートアップの成長拡大を支援することとしております。

具体的には、オープンイノベーションを促進するビジネスマッチングの開催や、地域発でグローバルな活躍を目指すスタートアップ企業を選定し支援する「J-Startup HOKKAIDO」を始動し、道内関係機関とも連携して選定企業に対する集中支援を行ってまいります。また、首都圏のVC、アクセラレーター、大手企業とのマッチングや協業の仕組みについても検討してまいります。

札幌証券取引所におかれましては、1949年の設立から今年で70周年を迎えられますことを心からお祝い申し上げます。これまで、地域に根ざした証券取引所として、道内経済の活性化や新たな産業の創出に大きく貢献してこられました。

今後も、地域経済を牽引する有望なスタートアップ企業の発掘と育成、さらには道内外の投資家や企業との橋渡し役となるコーディネート機関として、益々ご活躍されることを期待いたします。